Web株主通信

HYOKI-NOW 第83期 Web株主通信

INTERVIEW
トップインタビュー


土台を固め、未来を拓く。
総合物流企業への進化に向け、
盤石な経営基盤の確立を
目指します。

当社は現在、中期経営計画「Road to 2027」に基づき、「総合物流企業への進化」を推し進めております。その初年度である2026年3月期は、部門間連携の強化や大和工業グループとの協力体制の深化に注力し、将来の成長を見据えた施策を展開いたしました。
当期の振り返りと今後の展望について、代表取締役社長の大東慶治(おおひがし けいじ)が語ります。

大東慶治

厳しい環境下ながら、
収益改善への足掛かりを構築

2026年3月期の業績は、売上高133億円8,900万円(前期比2.5%減)、営業利益4億円3,600万円(前期比20.3%減)、経常利益4億円9,900万円(前期比19.2%減)、当期純利益3億円9,700万円(前期比8.8%減)となりました。前期比では減収減益の結果となりましたが、2025年10月に公表した修正予想との比較では、各利益ともに若干上振れて着地しております。財務指標については、ROEが8%を下回る結果となりました。一方で、自己資本比率は前期の38.7%から43.3%へと上昇しており、財務の健全性は着実に向上していると認識しております。

収益面における外部環境の影響としては、国内鉄鋼需要の低迷や中国向け輸送貨物の減少に加え、人件費およびエネルギー価格の高止まりがコストを押し上げる要因となりました。特に2026年に入ってからは、米中摩擦や中東情勢に起因する地政学リスクの高まりが、厳しい事業環境の一因となりました。こうした逆風下にあっても、内部的には、新規取引先の拡大や倉庫事業の黒字化といった進展が見られました。その一方で、急激なコスト上昇分を速やかにお客様へ価格転嫁することが難しく、利益の確保に苦慮する局面が続きました。

海運事業では、厳しい事業環境が続いているものの、内航事業では艀を活用したスポット輸送の実施や傭船契約が終了した船舶を大手メーカー向けの連続トリップ船として運航することで収支改善を図りました。また、外航事業においては、円安の進行により、ドル建て海上運賃の円換算額が増加し、収益の押上げ効果がありました。収益性の改善に向けては、内航事業における船員不足やコスト高騰といった構造的な課題に対し、引き続き新たな対策を講じてまいります。外航事業については、営業体制の見直しと部門間連携により、少数精鋭で利益を出しやすい体質への転換が進んでおります。

港運・倉庫事業では、蓄電池等の危険物や大型クレーンを要する重量物といった、付加価値の高い物流の取扱量を伸ばしたことで、いずれの事業も前期比で増収増益を達成いたしました。今後も営業力を強化し、収益力のさらなる向上に努めてまいります。

新船投入による輸送力強化を通じ、
大和工業グループの増産計画に寄与

大和工業グループのヤマトスチール株式会社の自社船である「Yamato80」が、2025年8月に就航いたしました。当該本船については、当社が運航管理を担っております。また、大和工業グループは成長計画に基づき、工場設備の更新による生産拡大を進めております。これに伴う輸送需要増に対応するため、当社は499型一般貨物船「HKL菊水」を本年6月末に就航させる予定です。

大和工業グループとは、長きにわたり協力関係を築いてまいりました。ともに兵庫県をルーツとし、約80年の歴史を持つという共通点もあり、従来から陸海輸送や構内物流などで連携を深めております。直近では輸出入に関わる営業面での協力機会も増加しており、資本業務提携を通じたシナジーの創出に向け、連携はより強固なものとなっています。

ワンストップサービスの体制構築を
目指し、部門間連携を推進

2028年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画「Road to 2027」では、「部門間連携の強化」「高収益体制の確立」「“シン総合物流企業”への進化」を各年度のステップとして掲げております。これは、2035年の長期経営ビジョン「VISION for 2035」実現に向けた土台作りの期間と位置づけております。

初年度の2026年3月期は、部門間連携の強化に注力いたしました。
港運部門と倉庫部門については、従来から港運で受注した貨物を自社倉庫で保管・出荷するといった連携が図れておりましたが、内航・外航事業との連携が課題となっていました。
期中の具体的な成果としては、先述した蓄電池輸送において、倉庫部門が獲得した案件を外航部門へとつなぎ、受注に至った事例が挙げられます。今後は、当社の強みである危険物取り扱いのノウハウを軸に、全部門が一体となって輸送・保管を行う体制を整備してまいります。
営業から受注に至る一連の流れを部門横断的に実現し、そのノウハウを社内で共有・蓄積することで、ワンストップサービスの提供価値を高めていく考えです。

社内コミュニケーションの活性化においても、各部門の若手メンバーが中心となり「関西物流展」への出展に取り組みました。出展を通じた自社サービスの訴求はもちろん、ブースの企画・運営で協力し合うプロセスが、部門間の相互理解を深める貴重な機会となりました。

付加価値と収益性の高い貨物を
取り込み、強靭な経営体制を目指す

2027年3月期は、運航効率の向上、新船の投入、各事業の収益性向上を図り、売上高145億円、経常利益5.4億円、当期純利益4億円の増収増益を計画しております。

※横にスクロールしてご覧ください。

外部環境は依然として地政学リスクやコスト高止まりへの注視が必要であり、国内の物流需要も楽観できる状況ではありません。こうした環境下だからこそ、中期経営計画の2年目のステップに掲げている「高収益体制の確立」が重要となります。部門間連携による売上の拡大とともに、コスト管理の徹底や、荷主様との対話を通じた適正価格への改定に取り組み、利益率の向上を重点的に推進いたします。

また、危険物や重量物といった付加価値の高い貨物の獲得についても、部門間連携を軸に強化してまいります。海運事業では、主力の鉄鋼関連のみならず、多様な貨物を取り扱う営業力を養います。一例として、新造船「HKL菊水」は、鉄スクラップに加え、適切な洗浄・管理を行うことで穀物輸送への対応も可能です。こうした用途の拡大も視野に入れ、新たな需要の獲得を目指してまいります。

現場業務の効率化においては、現場の意見を取り入れたシステム導入を推進しております。これにより生産性の向上を図り、働きやすい職場環境の構築にもつなげていく方針です。

財務の健全性を維持しつつ、
安定的な株主還元を継続

株主還元については、安定的かつ持続的な配当を継続することを基本方針としております。2027年3月期の期末配当は、1株当たり110円を計画しております。今後も財務の健全性を維持しながら、配当性向30%以上を目安として株主還元を行ってまいります。

増収増益を着実に実現し、
さらなる成長に向けた土台を築く

現在進行中の中期経営計画は、私たちの未来を築くための重要な「土台づくり」の期間です。2028年3月期のその先には、長期経営ビジョン「VISION for 2035」、そして2042年の創業100周年という大きな節目を見据えております。

こうした未来を切り拓く原動力となるのは、次世代を担う若い社員たちに他なりません。彼らが主体的に改善や新たな事業を発案し、失敗を恐れずに挑戦できる風土を醸成することが、持続的な成長には不可欠であると考えています。

また、サステナブルな未来に貢献すべく、環境保全活動にも積極的に取り組んでおります。
2025年12月には関西初となる水素燃料電池小型トラック導入の取り組みに参画しました。内航・外航船の動力源も変革期を迎えるなか、代替燃料や水素モビリティに関する情報収集を絶え間なく行い、時代の要請に即した物流のあり方を追求してまいります。

もちろん、こうした長期的な構想を実現するためには、まずは足元の増収増益を着実に達成し、経営基盤を盤石なものにしなければなりません。各部門が連携した一貫物流の構築と、大和工業グループとのパートナーシップをさらに深めることで、貨物基盤の確保と安定経営に全力を尽くしてまいります。

当社はこれからも「安心・迅速・信頼」という普遍の価値を大切にしながら、全てのステークホルダーの皆様に支持され、社会に必要とされる総合物流企業を目指してまいります。

株主・投資家の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご厚情を賜りますよう、心よりお願い申しあげます。

TO OUR SHAREHOLDERS
株主の皆様へ


配当について

当社は配当方針を「企業業績および今後の事業展開を勘案した安定的かつ積極的な配当」と定めております。安定配当を基本としつつ、EPS(1株当たり当期純利益)が100円を上回る場合は、配当性向30%以上または1株当たり50円のいずれか高い基準での配当を実施させていただきます。
この方針に基づき、当期(第83期)の期末配当につきましては、普通株式1株につき110円とさせていただきます。
100年企業を目指し、役職員一丸となり社業の発展に取り組んでまいります。株主の皆様におかれましては、ご理解をいただき、今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申しあげます。

事業別概況

海運事業

【内航海運】

主力輸送貨物である鉄鋼製品が国内需要停滞の影響による運航効率が低下したことに加え、燃料費の高止まりや船舶維持管理料の増加で営業利益が伸び悩みました。また、需要低迷による荷主からの傭船契約解除や船員不足による一時的な停船が発生したことも売上高減少の要因になりました。一方、艀輸送でのスポット貨物受注や傭船契約終了となった船舶を大手メーカーの連続トリップ船として投入するなどして収支改善を図りました。また、他部署との連携により、プラント貨物や鉄道車両などの大型特殊貨物輸送を受託するなどしましたが、マイナス要因を補完するには至りませんでした。
結果としまして、売上高は6,763百万円(前期比92百万円減 98.7%)、営業利益は165百万円(前期比174百万円減 48.7%)と減収減益になりました。



【外航海運】

中央アジア向け鉱山用建機の輸送が前期比で大幅に減少し、売上も大きく減少しました。中国向けは中国国内の景気悪化と日中間の関係悪化もあり、中国向け輸送貨物が減少し、受注が低迷しました。また、韓国向けおよび台湾向け鋼材輸送は、中国製の低価格な鋼材が多く出回った事により日本からの輸出量が減少しました。円安による為替影響は、ドル建て海上運賃にプラス要因となり収益の押上げ効果がありました。その他、顧客のニーズ把握に努め、他部署との共同営業を実施いたしました。
結果として、売上高は835百万円(前期比654百万円減 56.1%)、営業利益は82百万円(前期比152百万円減 35.2%)と減収減益になりました。

売上高(単位:百万円)
売上高グラフ
セグメント利益(単位:百万円)
セグメント利益グラフ


港運・倉庫事業

【港運事業】

港運事業はアメリカ関税政策の混乱や円安基調の為替局面が続きましたが、輸入食品の取扱いは常温、冷凍貨物ともに取扱量が増加しました。また、他の主要顧客の輸入取扱いも堅調に推移しました。産業機械パーツや鉄鋼製品の北米、欧州および韓国向けを始めとする輸出貨物全般も、通関取扱い件数が前期比10%以上増加するなど好調に推移しました。その他、新規営業による取引先拡大に加え、パワープラント設備案件、蓄電池およびODAインフラ貨物など、輸出入通関に関連した特殊車両を利用した輸送や重機作業を伴う大型スポット案件を複数受注出来ました。
結果としまして、売上高は4,085百万円(前期比369百万円増 109.9%)、営業利益は130百万円(前期は18百万円の営業損失)と増収増益になりました。



【倉庫事業】

姫路地区倉庫は自社倉庫の満床が続き外部委託先他社倉庫へ依頼するなど、鋼材保管や作業取扱いが堅調に推移し、売上収益ともに前期を上回りました。また、大阪地区倉庫も小幅ながら前期を上回る収益を上げる事ができました。神戸地区倉庫は、期首計画値には届かなかったものの、前期の営業損失から黒字回復が出来ました。一方で、作業員の高齢化や複数名の退職もあり、労働力不足や技術伝承の問題が顕在化しております。また、新たに投資した六甲アイランドのISOタンクコンテナターミナルは、集荷営業の強化による収益改善の課題が残りました。
結果としまして、売上高は1,704百万円(前期比39百万円増 102.4%)、営業利益は57百万円(前期は8百万円の営業損失)と増収増益になりました。

売上高(単位:百万円)
売上高グラフ
セグメント利益(単位:百万円)
セグメント利益グラフ


株式について

株式の状況(2026年3月31日現在)

発行可能株式総数
    4,000,000株
発行済株式の総数
    1,224,000株(内 自己株式 24,157株)
資本金
612,000,000円

大株主

株主名 持株数(株) 持株比率(%)
大和工業株式会社 244,800 20.40
堂島汽船株式会社 119,654 9.97
ふたば会(取引先持株会) 65,215 5.44
有限会社山広運輸興業 61,100 5.09
株式会社富洋海運 58,200 4.85
有限会社山広商事 28,600 2.38
大東 洋治 27,000 2.25
兵機海運株式会社従業員持株会 26,946 2.25
平井 清隆 20,300 1.69
野村證券株式会社 15,276 1.27
(注)上記以外に自己株式を24,157株保有し、持株比率(%)はこれを除いて算出しております。

所有者別株式分布状況

所有者別株式分布状況グラフ

所有株数別株式分布状況

所有株数別株式分布状況グラフ

TOPICS

東京支店の事務所を移転
東京支店の事務所を移転
当社は、2026年5月7日付で東京支店の事務所を移転いたしました。
本移転は、業務効率の向上および営業体制の強化を目的としたものであり、首都圏における事業基盤のさらなる拡充を図るものです。
今後もお客様の多様なニーズに迅速かつ的確に対応し、より一層のサービス向上に努めてまいります。

<移転先住所>
〒105-0021
東京都港区東新橋2丁目8番5号 東京茶業会館4階
※電話・FAX番号等に変更はございません。

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社船「HKL菊水」進水式
社船「HKL菊水」進水式
2026年4月22日に、新造船「HKL菊水」(499総トン型貨物船)の進水式が執り行われました。
本船は中之島造船所にて建造された内航貨物船で、国内物流を支える新たな戦力として、2026年6月末の就航を予定しています。
「HKL菊水」は、鋼材輸送をはじめとする多様な貨物輸送への対応を通じ、安定した輸送体制の強化と物流品質の向上に貢献してまいります。
水素燃料電池トラックを関西で初導入
水素燃料電池トラックを関西で初導入
当社は、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの一環として、水素を燃料とする燃料電池(FC)小型トラックを関西で初めてトラック事業者2社と連携して導入しました。
本件は、兵庫県および神戸市の協力のもと、協力会社である株式会社大前運送店および株式会社ロジストと連携して進めたものであり、水素モビリティの普及拡大とCO₂排出量の削減を図るものです。兵庫県および神戸市では、水素社会の実現に向けた取り組みを推進しており、モビリティ分野においては車両導入費の補助なども行われています。
こうした取り組みのもと、2026年1月13日には兵庫県庁において出発式が開催され、運用を開始しました。
導入した車両は、いすゞ自動車とトヨタ自動車が共同開発した燃料電池小型トラックで、走行時にCO₂を排出せず、充填時間の短さや航続距離の長さといった特長を有しています。商用車分野においては、こうした燃料電池(FC)車の普及が期待されており、兵庫県も国の「燃料電池商用車の導入促進に関する重点地域」に選定されています。
今後も当社は、環境負荷低減に資する輸送の実現に取り組み、サステナブルな物流の構築や神戸港の今後の発展にも貢献してまいります。

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第7回 関西物流展へ出展
第7回 関西物流展へ出展
当社は、2026年4月8日から10日にかけて「第7回 関西物流展 KANSAI LOGIX 2026」に出展し、三和建設株式会社と共同でブース展示を行いました。
本展示では、「建てる・運ぶ・保管する・持続可能な物流」をテーマに、危険物倉庫を中心とした当社の各拠点の倉庫機能や、環境に対応したサステナブルな物流ソリューションを紹介しました。とりわけ、関西初の水素燃料電池車の導入やコンテナ型蓄電池の保管・配送対応など、サステナブルな物流に向けた取り組みについて説明しました。
また、ブース内では「サステナブルな社会に対応する危険物倉庫」をテーマとしたミニセミナーを初めて開催し、安全・適正な保管体制や今後求められる役割について説明しました。
開催中は多くの来場者に当社ブースへお立ち寄りいただき、物流に関するさまざまなご相談をいただく機会となりました。今後もこうした機会を通じて、当社の強みや取り組みの発信に努めてまいります。

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金刀比羅宮「旭社」令和の大改修プロジェクトへ献石
金刀比羅宮「旭社」令和の大改修プロジェクトへ献石
当社は、金刀比羅宮が進める「旭社 令和の大改修プロジェクト」の趣旨に賛同し、御奉賛の一環として献石を行いました。
旭社は江戸時代に建立された四国最大の木造社寺建造物であり、古来から海上守護の神として海運業者により信仰され国の重要文化財に指定されています。長年の風雨や白蟻被害等により保存修理が必要とされており、現在、将来にわたる文化財の継承を目的とした大規模改修が進められています。
本プロジェクトでは、改修に必要となる石材の奉納などを通じて広く支援が呼びかけられており、当社もその趣旨に賛同し、本取り組みに参画しました。
今後も当社は、こうした活動を通じて地域社会とのつながりを大切にし、文化財の保全や地域文化の継承に貢献してまいります。

旭社 令和の大改修プロジェクトについては
こちら